○ 海峡いさりび公園
 下風呂温泉郷の観光拠点となっている「海峡いさりび公園」。この公園は、潮の干満を利用して、公園内にある内海に海水を引き込むようにつくられております。また、公園内には、対岸の北海道を一望できる展望台、下風呂温泉とゆかりの深い作家井上靖の文学碑、同志社大学創始者 新島襄の寄港記念碑、こどもの遊具などがあります。



井上靖文学碑に刻まれている散文詩「アカエリヒレアシシギ」の直筆原稿

○ 井上靖文学碑
 「ああ、湯が滲みて来る。
 本州の、北の果ての海っぱたで、
 雪降り積る温泉旅館の浴槽に沈んで、
 俺はいま硫黄の匂いを嗅いでいる。」
 
 前述の一文は、平成3年1月29日、83歳の生涯を閉じた作家井上靖氏の小説「海峡」の一節です。
 井上靖氏は、知人から「ここなら渡鳥の声が聞ける」と、昭和33年3月9日に下風呂温泉郷を訪れ2晩宿泊し、津軽海峡が見渡せる旅館の一室で、小説「海峡」の終局を執筆されました。
 「海峡」は、下北半島を舞台に、様々な人間が織りなす愛の交錯を描いた作品で、終章には下風呂温泉郷が「いさり火の見える温泉」として紹介され、全国的に有名となるきっかけになりました。
 公園内にある文学碑は、碑の名前の横に落款を彫り込んだ数少ない碑の一つで、井上靖氏は、この碑文の構成を練るために平成元年、31年ぶりに来村され、当時を偲んでおりました。
 また、「アカエリヒレアシシギ」の散文詩は、原稿用紙に井上靖氏愛用の万年筆で書かれ、その原稿が今でも村に保管されております。井上靖文学碑が建立されている、海峡いさりび公園には、碑を一目みようと、観光客や井上靖氏のファンの方々が訪れ、碑の前で記念撮影をしたり、碑文の散文詩を何度も読み返す光景が見受けられます。

アカエリヒレアシシギ:チドリ目ヒレアシシギ科の渡鳥。全長(翼開長) 18.0-19.0cm(31.0-34.0cm)。日本では数少ない個体で飛来するが、数十万の大群で渡ることもある。


   文学碑除幕式に訪れた故井上靖氏とご家族

             井上靖文学碑

 



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